大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ラ)25号・昭37年(ラ)24号 決定

所論は要するに、破産法上の換価方法としてなされる土地の競売において、右土地上に建物が存在し競落により競落人が右建物のための法定地上権の負担をうける場合には右競売期日の公告中に右法定地上権の発生すべき旨を掲載するか又はその他の方法により右旨を競買申出人に周知せしめるようにすべきであるのに、これが措置を講じないでした本件土地競売手続は違法であるというのであるが、立法論としてはともかく実定法上そのように解すべき根拠はみあたらない。所論があげる論拠のうち民事訴訟法第六五八条第三号の規定を類推すべきであるとの点について一言すれば、なるほど同法条は競売物件に競落人に対抗しうべき賃貸借がある場合競売期日の公告中に賃貸借の存在及びその内容を掲載すべき旨定めており、法定地上権の発生も右賃貸借の存在と同様に競落人の負担となるものではあるが、両者の次のような相違すなわち賃貸借は賃貸人と賃借人の契約によつて生じ、契約当事者以外の者には右賃貸借の存否、存続期間、その他の契約内容が明らかでないことが多いこと、これに反して法定地上権は土地と建物とが同一の所有関係に属することを基本として法律の規定によつて当然に生ずるものであり、競買申出人としては競売記録の閲覧などにより右法定地上権の発生すべきことを容易に知りうるのであり、かつその発生する法定地上権の内容も法律の規定によつて明定されていること、その他賃貸借の場合は競落人に右契約関係が一切承継され賃料の前払、敷金など既往の契約から生じた往々複雑なる権利義務を引継がしめられることになるのに対し、法定地上権の場合においてはそのような承継関係がないことなどにかんがみると、賃貸借に関する右法定を法定地上権の場合に類推すべきであるとすることはできない。

(村木 元岡 渡部)

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